2019年はパッケージで41本のADVが発売され、PS4発売以後最も多い年となりました。
順調に世に出ているように見えますが、稀に『Robotics;Notes DaSH』や『春音*アリスグラム』のように、発売が延期される作品もあります。修羅の国にはよくあることですが
一度は発売時期などが告知されたものの現在は未定となっており、今年こそは続報が欲しい!と望むアドベンチャーゲームを紹介します。
Anonymous;Code (アノニマス・コード)
公表されている新作アドベンチャーゲームの中では大本命の一作。
2015年3月、志倉千代丸氏が自身のツイキャスで「新作発表会」を行った際に告知された作品です。
東京・中野を舞台に2037年の世界を描く物語で、ポイントは「ハッキングトリガー」。『Steins;Gate』などの科学アドベンチャーシリーズではお馴染みの、進行のキーとなるシステムです。
この「ハッキングトリガー」では、「ゲーム」がまず介入することのない領域である「セーブ(セーブデータ)」「ロード」を遊びに取り入れるという。これによりゲーム性が非常に高い一作になるのではないかと予想され、非常に楽しみな作品です。
幾度となく「今冬発売予定」と言われてきた本作ですが、千代丸氏が以前「東京五輪には先を越されたくない」と発言しているので、もしかしたら今年夏には遊べるのかもしれません。
実は本作、 TGS2016 にてオリジナルストーリーを試遊することができました。その体験談は pixiv FANBOX の有料記事に書いてしまったので詳細は述べられません…。
ですが、1つだけ言わせていただくのなら、「ハッキングトリガー」は非常に面白いシステムです!
Song of Unleash
2017年4月に発売された恋愛ADV『Song of Memories』の続編で、『Memories Off』シリーズ終幕により大変貴重になった、家庭用ゲーム機向けの新作恋愛ADV!
2018年1月に発表され、当初は2019年初旬の発売が予定されていました(本ブログでも、発売予定の記事の中に取り上げていました)。
しかし、2019年2月に親会社・Future Tech Lab の体制変更が発表。その中で本作は「開発は継続するが、発売は2020年頃の予定」と言及されました。
『Song of Memories』で起こった凄惨な事件の7年後を描き、ヒロインが全員妹で前作同様 E-mote に対応。また、前作の登場人物も出てくるとのこと。妹なのは単純にそういう層を狙ったわけではなく、ちゃんと意味があるそうです。
Song of Unleashのヒロイン達が妹でないといけない理由があります。Memoriesの登場人物も登場予定で、ラストはきっと皆さん満足してくれると思います。もちろんe-mote対応しますよ! #sou_pure
— Yasuo Omote (@yasu10290817) 2018年1月26日
「2020年頃」という文言は不安ですが、開発中止になったわけではないので、続報を待ちましょう!
Song of Unleashですがちゃんと進行中。今回はかなりドラマティックな構成だからプレイのやめどころが難しいかもしれない。まだレコーディングは先だけど全体の半分くらい曲はできている感じ。どの曲も恐ろしいくらいにクオリティが高いから期待して大丈夫ですよ!#sou_pure
— Yasuo Omote (@yasu10290817) 2019年7月7日
あと、前作『Song of Memories』の Switch 移植版についても続報が欲しいですね。当初は2018年2月に配信の予定だったのですが、現在まで実現されていません。Unleash は Switch でも発売が予定されているので、前作は出しておきたいところ。
海外まで自分のツィートが取り上げられてしまったので改めて言いますがSwitch版のSong of Memoriesは中止になった訳ではなく検討中です。当社が移植作業ができれば可能性は高まりますが、開発リソースと開発費の問題があるため、どう対応するか、移植作業の会社と協議中です。#som_pure
— Yasuo Omote (@yasu10290817) 2019年2月11日
TWIN MIRROR(国内版)
『TWIN MIRROR』は 、『ライフイズストレンジ』を手掛けた DONTNOD 社が制作しているミステリー作品。
2018年に開発が発表され、今年 PS4 / XBOX ONE / PC 向けにリリースされる予定。『ライフイズストレンジ』はスクウェア・エニックスがパブリッシャーとなり発売されましたが本作はバンダイナムコからの発売で、『ライフイズストレンジ』と同様に日本語版のリリースもアナウンスされていました。
しかし昨年6月、国内版のバンダイナムコエンターテインメントからの発売中止が発表されました。
国内版だけ別の会社がローカライズして販売するというのは難しいかもしれません。
ですが、日本と海外で発売元が違うゲームはいくつもあるので、『ライフイズストレンジ』の実績があるスクエニ様に拾っていただきたく存じるのですが、いかがでしょう(?)
▲失われた日本語版に想いを馳せて…
デメリトクラシーあるいはアリアス・ルースの2つの顔
2017年にTGSで発表された、 DMM GAMES が初めて手掛けるPS4向けオリジナルタイトル。
DMM GAMES といえば個人的に一番身近なのは、2019年ベストゲームである『シンソウノイズ』。こちらは移植に関係しただけですが、そんな DMM GAMES によるオリジナルのアドベンチャーゲームが本作。
私自身この作品の存在を知ったのが昨年のことで、2018年発売とアナウンスされていたものの、続報が現在まで全くありません。
固有ジャンルは「権謀術数アドベンチャー」となっており、リリースには「テキストを読むだけではなく、自身で情報を収集しそれを如何に謀(はかりごと)の中で活かすか」が鍵になるとあって面白そう。進んでいるのならなんとか世に出てきてほしい作品。
幻想牢獄のカレイドスコープ
こちらは、現在も数々のPCゲームを家庭用に移植し続けているエンターグラム初のオリジナルADV。
『ひぐらしのなく頃に』で知られる竜騎士07氏と、かつて Key に所属していたイラストレーターである樋上いたる氏とがタッグを組んだ作品として話題を呼びました。
2019年8月に発表、11月に発売が予定されていたものの9月には発売延期のお知らせが掲載され発売未定に。
最初の発売予定日は一体何だったんだというのは置いておきまして、本作で注目しているのは、数多の移植を手掛けた同社がどれほどADVのノウハウを積み重ねてきたか。
エンターグラムの移植作は大量に遊んできましたが、オープニングの音量が大きすぎる(『D.S. -Dal Segno-』など)、字が細すぎてまるで読めない(『タユタマ2』)、一部の字が小さくて読みにくい(『フルキス』)といった問題点がありました。
また、移植元に合わせたためかログが1ページに1台詞しかない(『人気声優のつくりかた』)作品もあったので、これらが問題であることをしっかり認識しユーザーフレンドリーに仕上がっているかは見どころです。
ゲーム内容については、竜騎士07氏が得意とされる世界観が構築されると見受けられます。これまでの作品の評価が良い評価を受けているので、その辺は心配しなくてもいいかなと思っています。
▲OPも出来上がっているのに延期とは…。
ミステリートF 探偵たちのカーテンコール
本作は2006年にPS2へ移植された『ミステリート ~八十神かおるの事件ファイル~』のリメイクと、その続編として発売が予定されていた『ミステリート2 ~フェアウェル・エンカウンター~』を1本にまとめたもの。
原作は『YU-NO』や『EVE burst error』などを手掛けた菅野ひろゆき氏によるもので、氏の逝去後遺されたプロットを 5pb. が引き継ぎ、完結すると発表されました。
初報は2014年に MAGES. が行った Xbox ONE 向けのソフトウェア発表会で、『Chaos;Child』・『PSYCHO-PASS 選択なき幸福』と同発でした。この2作はすぐに発売されましたが、本作は現在も発売されていません。
その後の動きとしては、MAGES. が開催していたイベント・「5pb.祭り!」の2016年度にて「開発がMAGES. 史上最長になっている」、八十神かおるの声優・緒方恵美さんの声の収録数の話題が上がりましたが、それ以降はプラットフォームが Xbox ONE から PS4 / PSVita になるとの告知されたのみ。
プロデューサーの浅田氏はリメイク版『YU-NO』も手掛けていましたが、そちらが一段落したと思われる今、『ミステリート』は完結へと動き出すのでしょうか…。
2020年、これらの作品はどうなるのか。
『Anonymous;Code』は本当に東京五輪に間に合うのか。
楽しみに新しい一年を過ごしていきましょう!