アドベンチャーゲームの入江

アドベンチャーゲーム(ADV)を600本以上持つ筆者が、商業ゲームプランナーの視点からADVを紹介するブログ。ギャルゲーからミステリまでADVならなんでも。

PS4・新作アドベンチャー/ギャルゲー紹介&感想 ★13~シリーズ終幕・『メモオフIF FD』登場!

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ブログ開設から2年が経ちました。
今後もご愛顧のほどよろしくお願いします。


というわけで今回も、PlayStation 4 で遊べる最新のADVを紹介します。

先日、PS4のADVのテーマ別おすすめ作品の記事を出したのでそちらもよろしく。

 

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フルキス

【あのね、好きになっても……いい?】

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戯画より今月も新作が参戦!

この学園に入学すれば彼女出来ると思ったのになー1年経っちまったわー
って主人公が、何故かデフォルトで距離の近めなヒロイン達と恋する話。
本当に1年間彼女がいなかったとしたら、主人公の人格や言動に『√Letter』レベルの問題が
あると言わざるを得ないというくらい普通な主人公です。


ヒロインは4人。クラスメイトでもうすぐ転校してしまう子、それと幼馴染。
あとは生徒会長に後輩ちゃんという王道が揃っています。
問題は、これらヒロイン達の関係が薄すぎるということ。
シフト制かよと思うくらいに、1エピソードにつき1人しか出てこず、
ずっと1対1での会話をしています。

ヒロイン達が互いに影響を及ぼしたりコミュニケーションしたりというのが殆ど無い。

シナリオも薄め。5時間かからないで終わると思います。
そのシナリオも突っ込みたいところがある。

・生徒会長ルート
主人公「まだ遊ばれてる気がして、会長のこと信じられない!」
→会長「来て」(主人公の腕を引く)
→ラブホ
→・・・。
→主人公「信じるよ」

軽すぎる・・・。
色んな葛藤や過程、裏側を描くことが出来ると思うのですが
一発で全てを吹き飛ばしました。それでいいのか戯画よ。
『添いカノ』『リプキス』などのように、ただただ甘ったるい話を見せつけられるよりかは
シナリオが短めですぐにこなせるこっちのほうが素直で良いですが・・・。

あと、選択肢の文字が小さすぎたりルビが全く読めなかったりするのですが
これは誰一人として問題かと思わなかったんですか?
 

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2019.03.28 発売
(C)GIGA / ENTERGRAM

 

 


 

春音アリス*グラム Snow Drop

【春の足音に耳を澄まして―――】

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 こっそり発売が1月から3月に延期していた、
「この謎を解くことが出来るかな?」とゲームから挑まれる一作。

・・・が。
蓋を開けてみれば、謎解きはほぼ読むだけで解く余地無しです。

序盤だけ正答を選ばされましたが、その後は残念ながら。
最後の事件はもっとプレイヤーの介入余地を作っても良かったと思います。
最も身近な人間が最大の容疑者という、これ以上ない美味しい展開だったのに。


そして、シナリオがめちゃくちゃ長い。
共通ルートが7時間、個別ルートが2時間。
特に共通序盤はエピソードが長く、つらい。
途中からテンポは少し改善されるもののやはり単に時間がかかる印象。

本作は原作の NanaWind が発売し、先日 dramatic create が移植した
『ALIA'S CARNIVAL! サクラメントプラス』と世界観を共有しています。
本作の一部の人間が使う特殊能力については、『~サクラメントプラス』の方に詳しい。

逆に、そっちをやってからじゃないと急展開についていけない恐れも・・・。

というわけで、謎解きを挑まれる感じではありましたが
そこに主体性はほぼ無く、長ったるい話が展開するだけという感じ。

登場キャラが多めで、『フルキス』とは違い様々な絡みもあり
それぞれにちゃんとしたキャラ付け・魅力があっただけに
上手く活かしきれていないのが残念。

劇中でノベルゲームの良さについて語っていた主人公。
さすがに作ってる会社だしわかってるぅ~↑って感じでしたね。

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2019.03.28 発売
(C)NanaWind / ENTERGRAM

 

 

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Memories Off -Innocent Fille- for Dearest

【君と紡ぐ最後のメモリーズ】

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『メモオフ』シリーズ最終作のファンディスク登場!
本当のラストメモリーズが遂に。


昨年3月に発売された『Memories Off -Innocent Fille-』の
各ヒロイン達との「その後」を描いたファンディスク。
「その後」と言いつつちゃっかり前作を補完する、抜け目のないシナリオ。
やはりメモオフは経験値が違います。


いちゃラブを謳いつつも、片一方を確実に見捨てる選択肢・『R.A.I.N.s』は健在。
シリアスな場面からギャグっぽい選択まで、本作を盛り上げてくれます。


基本的に前作の後の話が展開されるので、ここからは入りにくいというのが正直な意見。
ただ、前作『~ -Innocent Fille-』は単なる恋愛ADVにとどまらない、
「かけがえのない想い」を十二分に体現した非常に昂ぶるシナリオだったので
未プレイのかたは是非プレイしてみてほしい。

シリーズものではあるが、前作から入っても全く問題は無い作りになっている。
そして、前作で壮絶な結末を見た後に本作の甘さで癒やされてほしい・・・。
きっとそこまでがワンセットになっているはず。


ちなみにですが、セーブデータ連動があるので
今から買う場合は同じハードで買うことをおすすめします。
シリーズファンの方なら尚更。

2019.03.28 発売
(C)MAGES./5pb.

  

 


 

最後に、未クリアなので軽く触れる程度ですが
2019.03.07 発売の『FLOWERS 四季』について。

「百合系ミステリィADV」を謳い、引っ込み思案の女の子を主人公に
ミッションスクールでの謎解きをしていくADV。
選択肢もかなりの量があり、ゲームとしてしっかりしていてとても良いのですが・・・。


この肝心の謎解きが、ゲーム内に答えがあるわけではなく
ゲーム外でのハイレベルな雑学知識を求められるというのが問題。

「イタリアにおける忌み数字」がいくつか知っているひとはいるのか?
しかも問題に誤答すると即ゲームオーバー・・・。
『春音アリス*グラム』と違ってちゃんと頭は使わせてくれるのですが、そうじゃないんだと。

最近の作品でミステリーをやりたいなら、断然『シンソウノイズ』だね!

というわけで、今回は以上です。
2月・3月の発売ラッシュを超えたので、暫くこれ系の記事はお休みになります。
次回は6月くらいにお会いしましょう。

 

 

次回の記事はこちら

 

前回の記事はこちら

 

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